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【徹底解説】ゴアテックスとは?特徴・仕組み・お手入れ方法まで

アウトドアブランドのジャケットや帽子でよく目にする「GORE-TEX®(ゴアテックス)」。

「雨が絶対に染み込まない素材って本当?」

「お手入れしなくても性能はずっと落ちないの?」

と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、そもそもゴアテックスとは何か?という基本的なところから、その優れた特徴とゴアテックスの仕組み、お手入れ方法まで詳しく解説します。

アウトドア初心者から日常的に使っている方まで、ゴアテックス素材の理解を深め、快適に使いこなすためのポイントをお届けします。


ゴアテックスはどんな素材?世界が認める防水透湿素材

ゴアテックスは、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が開発した高機能素材です。

1969年に同社創業者の息子ボブ・ゴアによって発明され、初めてアウトドア用ジャケットに採用されたのは1976年と、半世紀以上の長い歴史を持ちます。

アウトドアの世界で長く支持され、多くの登山メーカーにも採用されてきたことから、その性能と信頼性は折り紙付きです。

ゴアテックス最大の特徴は、

「防水性」「透湿性」「防風性」

という3つの機能を兼ね備えている点です。


つまり、

  • 雨などの水を通さない
  • 汗ムレを外に逃す
  • 風を遮断して体温の低下を防ぐ

という優れた素材なのです。

ゴアテックスは、極薄のePTFE製メンブレン(膜)を生地にラミネート加工して作られており、これによって雨風を防ぎながら内部の湿気だけを外に逃がすことができます。

そのため、豪雨の中でも衣服内部は濡れにくく、長時間着用しても蒸れにくいのが特徴です。


ゴアテックスの大きなポイント

▷ 防水・透湿・防風性に優れた高機能素材

雨の侵入を防ぎ、汗によるムレを放出して快適性を保ち、風も遮断します。

過酷な環境下でも高い性能を発揮するため、アウトドアウェアに最適な素材です。

▷ 豪雨下でもドライで快適

ゴアテックスウェアを着用すれば、土砂降りの中でも内部まで水が染み込みにくく、べたつくような不快な蒸れを大幅に軽減できます。

登山中の急な悪天候でも衣服内をドライに保てる安心感があります。

▷ 幅広い用途と製品展開

登山ウェアやレインコート、帽子や登山靴、プロ仕様の防護服に至るまで、あらゆるアイテムに採用されています。

アウトドアはもちろん普段使いでも快適さを実感できることから、防水素材の代名詞とも言われる存在です。

▷ 単体では使わない膜素材

ゴアテックスは薄いフィルム状の膜素材で、そのまま布のように使うことはできません。

通常はナイロンなどの表地と貼り合わせて2層または3層構造の生地とし、裏地と組み合わせて製品化されます。

この構造により強度や肌触りが確保され、ジャケットや帽子の裏地としてゴアテックス膜が機能する仕組みです。


ゴアテックスはその高性能ゆえに、アウトドアから日常まで幅広く活用されており、今では

「ゴアテックス = 防水」

というイメージが定着するほどの存在感があります。


実際、ゴア社では製品の完成時に、

  • 素材テスト
  • 人による着用テスト
  • 実地でのフィールドテスト

という厳格な品質検査を行い、製品の防水・透湿・防風性能を保証する制度まで設けています。

「濡れないことを保証する」というコンセプトに象徴されるように、ゴアテックスは製品寿命にわたって防水性が持続することが約束されているのです。


ゴアテックスの仕組み

では、なぜゴアテックスは「水を通さず湿気は通す」という魔法のような機能を実現できるのでしょうか?

その鍵は、素材内部の微細な孔(あな)にあります。

ゴアテックスの中核となる膜素材「ゴアテックスメンブレン」には、1平方センチメートルあたり約14億個もの微小な孔が空いています。

この孔の大きさは水滴(液体の水)の約2万分の1と極めて小さい一方で、水蒸気(一粒の水分子)より約700倍も大きい設計になっています。

そのため、雨などの水滴は孔より大きすぎて通過できませんが、汗による水蒸気は十分に小さいため膜を通り抜けられるのです。

これが、ゴアテックス生地の「外からの水は遮り、内側の湿気だけ逃がす」メカニズムの核心です。


ゴアテックスは濡れにくい

また、ゴアテックスメンブレン自体の素材には疎水性があり、水を弾きやすく濡れにくい構造になっています。

もともと、フッ素樹脂(テフロン®と同系統)を急速に延伸加工して作られた「ePTFE膜」で、薄く軽量ながら非常に丈夫な性質を持つのも特徴です。

発明当初から改良が重ねられた結果、現在のゴアテックスメンブレンは薄さと強度のバランスに優れ、「防水性・透湿性・防風性」を同時に発揮できる素材となりました。

なお、ゴアテックス製品ではメンブレンを守るために、必ず表生地で挟み込む構造を取ります。

一般的なジャケットでは「表地+ゴアテックス膜+裏地」の3層構造にすることで、膜を物理的ダメージから保護しつつ長期間の耐久防水性を実現しています。

用途によっては、裏地を省いた2層構造(裏地なし)とし、軽量性や柔軟性を高めた製品も存在します(※ゴアテックスパックライト製品などが該当)。


ゴアテックス製品の種類 – Pro・Activeなど用途別の展開

一口にゴアテックスと言っても、実は用途や目的に応じていくつかのバリエーションが存在します。

ゴアテックスブランドではシーンに合わせた製品クラスを展開しており、主なものは次のとおりです。


GORE-TEX® プロダクト

最もスタンダードな汎用タイプのゴアテックスです。

登山やスキーから街中でのレインウェアまで幅広く対応でき、バランスの取れた性能が魅力。

ゴアテックスの中核をなす基本モデルで、防水透湿性と耐久性の高次元での両立を目指しています。


GORE-TEX® Pro

プロフェッショナル向けの最上位モデル。

高所登山や過酷な環境下での使用を想定し、より頑丈な表地・裏地を組み合わせた3層構造や特殊な構造を採用しています。

特に耐久性を重視しており、長期間のハードな使用でも防水性能が持続することがポイントです。


GORE-TEX® Active

ランニングやサイクリングなど激しい運動時の着用を想定した軽量モデル。

最大限の透湿性・通気性を発揮するよう開発されており、汗を素早く逃がして衣服内をドライに保つことに特化しています。

そのぶん生地は薄手でしなやかになっており、耐久性よりも軽さ・しなやかさ重視の設計です。


GORE-TEX® PACLITE®

携行性を重視した2層構造のゴアテックスです。

裏地の代わりに特殊コーティングやプリントでメンブレンを保護しており、生地を薄く軽くできるため、登山での携帯用レインウェアなどによく用いられます。

薄手ながら必要十分な防水透湿性を備え、使わないときは小さく畳んで収納可能です。


その他

上記の他にも、近年では「GORE-TEX® INFINIUM™(ゴアテックス インフィニアム)」と呼ばれるラインも登場しています。

こちらは従来の「防水性」を重視したゴアテックス製品とは異なり、必要なシーンだけに機能を絞ったコンセプトで、防風性や透湿性に特化した派生素材(ゴアテックスインフィニアム™ウィンドストッパー)などを展開しています。

インフィニアム製品は、「必ずしも完全防水でなくても良い場面で快適性を提供する」ことを目的としており、例えば、防水機能の代わりに柔らかさや通気性を極めたジャケットなどがラインナップされています。

シーンに応じてゴアテックスとインフィニアムを使い分けることで、天候や用途に最適な快適性を得られるでしょう。


このようにゴアテックスはユーザーのニーズに合わせて進化を続けています。

いずれのタイプも基本原理は共通で、「防水しつつムレにくい快適性」を追求したものです。

ゴアテックスブランドの多彩な展開を知っておけば、自分のアクティビティや用途にぴったりのウェア選びに役立つはずです。


ゴアテックス製品のお手入れ方法 - 高性能を長持ちさせるには?

高機能なゴアテックス製品ですが、その性能を持続させるためには適切なメンテナンス(お手入れ)が欠かせません。

実は「ゴアテックスはお手入れ不要でずっと効果が落ちない」わけではなく、汚れを放置すると防水・透湿性が十分発揮できなくなることがあります。

裏を返せば、正しい方法でお手入れすることで防水透湿機能をしっかり維持・回復させることが可能です。

ゴア社の公式情報によれば、ゴアテックス製品は基本的に家庭で洗濯してケアすることが可能です。

以下に、ゴアテックスウェアのお手入れのポイントをまとめました。


洗濯表示の確認

お手入れ前に、ウェア内側のタグにある洗濯取り扱い表示(品質表示タグ)をチェックしましょう。

家庭洗濯が可能かどうかマークで示されています。

素材の組み合わせによっては、「洗濯ができない」または「ドライ洗濯のみ」といった表記もありますので注意が必要です。


洗濯時の工夫

基本的に洗濯機に入れる際はネットに入れることをおすすめします。

付属のファスナーやマジックテープ(ベルクロ)は閉じて、取り外し可能なフードなどは別にします。

洗剤ですが、粉末洗剤は溶け残りや洗浄力が高く、膜に悪影響を与える可能性があるため液体洗剤を使用しましょう。

すすぎは2回設定し、柔軟剤や漂白剤・シミ抜き剤の使用は厳禁です。

これらは生地に残り撥水性を低下させる恐れがあるためです。


乾燥と撥水復活処理

洗濯後は日陰で吊り干しして十分に乾燥させます。

ゴアテックス素材は水を通さないため脱水時間は短めでも構いません。

生地がしっかり乾いたら、洗濯表示を確認の上で低温設定の乾燥機に約20分かけることをおすすめします(乾燥機OKの表示がある場合)。

乾燥機の適度な熱により表地の撥水性が復活し、雨を玉状に弾く効果が戻ります。


アイロンによる仕上げ

乾燥機が使えない場合は、乾いた後に低温アイロンを当て布越しにかけて撥水性を再活性化させましょう。

アイロンはスチーム無しの低温(120℃を上限目安)で設定し、直接生地に当てず必ず当て布をしてください。

ファスナーやゴム紐など、熱に弱い部分を避けながら軽く全体に熱を加えることで、表面の撥水加工が整い、水を弾く状態が蘇ります。


以上がお手入れの基本手順です。

撥水性が落ちると表地が雨水を吸い込んでしまい、ウェア自体が重く冷たくなって不快ですが、適切な洗濯と熱処理で撥水効果を回復させることができます。

なお、ゴアテックス膜自体は、穴が開いたり傷ついたりしない限り、防水性が損なわれることはありません。

裏地の擦り切れや激しいダメージで膜に破損が生じなければ、基本的な防水機能は維持されます。

だからこそ、定期的なお手入れによって表地の状態を整え、ゴアテックス本来のポテンシャルを長く引き出してあげることが大切です。


靴や帽子の場合のお手入れ

ゴアテックス素材は帽子やシューズにも使われますが、基本的な考え方はウェアと同様です。

泥などの汚れが付いた帽子や靴は放置せず洗い落として乾燥させ、撥水スプレーなどで表素材をケアすると良いでしょう。

ゴアテックスシューズの場合、中に小石や砂粒が入り込むと、内部のゴアテックス膜を傷つけてしまう恐れがあります。

使用後はインソールを外し、靴内部の小石や埃を取り除いてから保管してください。

高温多湿の場所を避け、風通しの良いところで十分乾燥させてから収納することで、防水性能の劣化を防ぎ快適性を保てます。


まとめ

以上、ゴアテックスの基礎知識からお手入れ方法まで解説しました。

ゴアテックスはきちんとケアをすれば、雨の日でも一日中快適な着心地でいられます。

アウトドアシーンで培われたその機能性は、日常使いにおいても様々なシーンで役に立ちます。

ぜひ皆さんもゴアテックス製品の特徴を活かして、天候に左右されない快適なアウトドア&ライフスタイルを楽しんでください。

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