帽子の「つば」って、漢字でどう書くの?
ネットではひらがなで見ることが多い、帽子の「つば」。
実は、漢字表記も存在します。
しかも、その字には刀の部位と共通する由来があり、知るとちょっと世界が広がります。
そこでこの記事では、
- 「鍔(つば)」の意味と語源
- ひらがな表記との使い分け
- 「つば」と「ひさし」の違い
- 英語では何と言うのか?
これらについて解説します。
帽子の『つば』とは?漢字でどう書くのか
帽子の「つば」は、帽子本体から外側に突き出た「ひさし」部分のことです。
主に日除けに役立つ部位ですが、見た目の印象を変える役割があります。
そしてこの「つば」は漢字で、「鍔」 と書きます。
「鍔」自体の意味には、以下の3つがあります。
- 刀の柄(つか)と刀身の間の、持つ手を保護する平たい金具。
- 帽子のひさし。
- 釜(かま)の胴に薄く突き出て竈(かまど)にかけるようになった部分。
ちなみに「つば」は「唾」と同音なので、文脈に合わせてどの表記を選ぶのかがポイントになります。
参考:漢字ペディア「鍔」
『つば(鍔)』の意味と由来
帽子の「つば」も同じ漢字で書くことはわかったものの、そもそもなぜ帽子の「つば」は『つば』と呼ぶのでしょうか?
結論から言うと、
「つば」という言葉はもともと刀の部位名で、それが帽子の出っ張り部分にも使われるようになった
と解釈できます。
刀の鍔は、
柄(持ち手)と刃の境目にあって、手を守るために外側へ張り出している部分
です。
また、辞書で「鍔(つば)」を調べてみると、
- 刀の鍔
- 帽子のひさし
- 釜の縁の出っ張り
と、「本体から外へ出ていて、何かを守る/縁になっている部分」へ意味が広がっている語とされています。
つまり、
刀の手を守るための出っ張りを「つば」と呼んでいた。
→ 同じように本体から出て守る役割のある部分にも「つば」という言葉が使われるようになった。
よって、「外へ張り出して守る」という共通点から、帽子にも使われるようになったと考えられます。
「つば」は漢字で書くべき?正しい表記と使い方
結論、ひらがな表記が「一般的」です。
理由はシンプルに、「鍔」という漢字が一般的に使われていないからです。
つば:読みやすい、「つば」として認識されている
鍔:読みにくい、日常であまり使われない(専門的)
もしも、何かの場面で漢字で表記をするとしたら、
- 初めは鍔(つば) と書く
- 2回目以降は「つば」にする
というように、読み手に配慮した書き方が無難です。
帽子の「つば」は英語で何と言う?
帽子の「つば」は英語で主に、
- brim(ブリム)
- bill(ビル)
- visor
などがあり、帽子の形によって使い分けるイメージです。
brim(ブリム)の使い方
帽子の縁全体をぐるっと囲むツバに使われやすい単語です。
brim
例文:a hat with a wide brim.(つばの広い帽子)
bill(ビル)
キャップの前だけにある、ひさし(つば)を指すときに使われやすい表現です。
bill
bill = 主にベースボールのつば(ひさし)
形:キャップ(ロングビル)
例文:He adjusted the bill of his baseball cap.(彼は野球帽のつばを調整した)
visor(バイザー)
visor は、サンバイザーのようなつばだけの帽子、あるいはキャップのひさしを指す単語です。
主にヘルメットなどに使われる固いツバなど、顔を守るひさしとして使われます。
例文:Replace the visor if it cracks.(バイザーにヒビが入ったら交換して)
よくある疑問:帽子の「つば」の"Q&A"
- つば」と「ひさし」って違うの?
- 日常ではほぼ同じ意味で使われます。ただニュアンスとしては、
・つば:帽子の縁の部分
・ひさし:(特に)前に突き出た部分を指す言い方
という使い分けが多いです。 - 英語のhatとcapの違いは?
- 英語では大まかに、
・hat = 帽子全般
・cap = 前につばがあるタイプの帽子
という区別の仕方が一般的です。ただし、会話の中では”cap”も”hat”と呼ばれる場面があり、厳密に分けられてはいません。
まとめ
最後に本記事の要点をまとめます。
- 帽子の「つば」は漢字で『鍔』と書く。
- 「鍔」は刀剣の部位を指す言葉でもあり、そこから帽子のひさしにも使われるようになったと考えられる。
- 日常文では「つば」と ひらがな表記が無難。
- 英語では、brim(ブリム)、bill(ビル)、visor(バイザー)で表現される。
日常的に使う分には、帽子の「つば」はわざわざ漢字で書こうとせず、ひらがなで表記した方が伝わりやすいです。